あなたの笑顔が見たい
サラリーマン時代に気付いた事。
楽しそうに笑顔のある現場を見に行くと、こちらまでウキウキしてくる。
辛そうにしかめ面をしている現場は、こちらまで暗くなりそう。だから、気合を入れて笑顔で挨拶。
たまに社長から呼びつけられて、小言を食う。だからといって落ち込んでも取返しはつかない。却って周りに気を遣わせる。だから、小言が済んだら、タバコを吸いながら思いっきり笑ってみんなと会話をした。
そんな、サラリーマン生活を送っていた。笑うと苦しみも紛れてくるし、笑顔を向けて貰うと救われた。
熊本チキンの社長になった時、正直、自信はなかった。
それでも、家畜の餌売りに専念していた山内飼料より、鶏肉業界に進出できた事で、万人に売れる食品に携われる事に喜びも感じた。
どんな会社にしようと考えていたら、小学校低学年の男の子と年少の女の子がテーブルの前で嬉しそうに笑いながら唐揚げを頬張る姿が見えてきた。
「ああそうだ、こんな笑顔が溢れる家庭の中心になる鶏肉を売りたいな」と思った。
食事の中心になる以上、安心安全は必須だ。ISO22000を取ろう。
みんなが頑張ったお陰で2年後にはISO22000が取れた。コンサルタントからは「2年で取れるなんて奇跡」と云われた。
食事の中心になる以上、美味しくなければいけない。よしコンテストに出して力試しだ。
2014年の「地鶏・銘柄鶏食味コンテスト」に出品。すると最優秀賞に選ばれた。
では、世界に出したらどうだ。
2016年「ITQI(国際味覚審査機構)」に出品、アジアの鶏肉では初めてとなる星一つを頂いた。
これらは会社が儲かる為にしたわけではない。単純に食卓を笑顔にしたいだけが始まりだった。
人を笑わせるなら、吉本新喜劇を見れば良い。
バカボンのパパは「死ぬ前に、もう一度思いっきり笑いたい」と云う老人の脇の下をくすぐって、大笑いさせた。
笑うにもいろいろある。
私が見たい笑顔は、みんな揃ってテーブルを囲み、今日の出来事を語らい、一口頬張った時、「美味しい」と口にはでなくても、自然とこぼれる笑顔。それが「笑胃」の原点である。その「笑胃」を作る会社に熊本チキンをしたい。
そんな事を思い描きながら今日まできた。
でも、笑顔にしたいだけでは、漠然としている。
それでは、他人事にしか思えない、自分事でなければ意味はない。
だから、自分自身に対峙する「あなた」が必要。
自分に取っての「あなた」はだれですか? お子さんですか? お孫さんですか? 恋人ですか? 奥さんですか? 旦那さんですか? ご両親ですか?
「あなた」になる人を想ってください。そして「あなた」の笑顔を思い描いてください。どんな気持ちになりますか?
幸せな気持ちになれると思いませんか。そんな「あなた」の為なら苦しい事も乗り越えられると思いませんか。
そんな事を思える人々で溢れる山内飼料グループでありたい。
代表取締役社長 山内智雄